キャリアパワー

作文

いざ!自分の未来へ出発!!

箕面自由学園小学校6年 中岡悠さん

「今日はどうした?」
「鼻がつまって苦しくて。」
「そうか、じゃあ耳から順番に診ていくわな。」
私の行っている耳鼻科の先生はいつもこう言って診察を始めます。

私の将来の夢は耳鼻咽喉科の先生になる事です。なぜなりたいと思ったのかな?
考えてみると、小さい頃、息が苦しくなる程鼻がつまり、その度に近所の耳鼻科に診てもらいました。先生は、私が今どんな症状かを聞き、
「じゃあ、診てみるわな。」
「ああ、これはしんどかったなぁ。」
と、優しく会話をしながら診察してくれ、かっこいいなと憧れの気持ちを持ったからです。病院からの帰り、すっきりとした気分で帰れたのは、診てもらったからと、先生の優しい言葉のおかげだったなと思います。

働くとはどういう事なのかな?
まず初めに思いついた事は、生活していくためにお金を稼がなければならないということ。なぜなら、お金がないと、衣、食、住が整ったよい生活が送れないと思ったからです。 でも、働くということは、お金のためだけなのか?働ければ何でもよいのか?私の頭の中にはまだ疑問がありました。改めて働く理由について考えてみました。でも今の私には、他にも絶対何かあると何となく感じるけれど、それが何か言葉では、表せませんでした。そこでお父さんやお母さんに働くとはどういうことか、働く理由は何かを聞き、いっしょに考えてみることにしました。

お父さんは、
「仕事をしていく上でお客様からの信頼をもらえると「よかった」と嬉しいし、仕事が上手くいき、社員の人達の生活を守る事ができると「よかった」と安心する。その「よかった」がやりがいにつながる。」
と、言っていました。お母さんも、
「仕事は大変だし、辛い時も多いけど、その分、やりとげた時は、やっていてよかったと感じることがあるから続けられる。」
と、言っていました。私は、がんばった分やりがいを感じもっともっとがんばろうと思えるのだなと思いました。それが私が何となく感じていた事だと気づきました。

働くとは、お金を稼ぐためだけではなく、やりがいを感じる事も大切で、それが働き続けられる理由の一つだと思いました。

ここでもう一度私の将来の夢を考えなおすと、話を聞き、働くという事は大変だという事はわかったけど、耳鼻科の先生が私にしてくれたような人を笑顔にする仕事がしたいな。やっぱり耳鼻科の先生になりたいな。でもこの気持ちは、80%です。残りの20%は、まだまだ勉強をがんばっていかないといけないし、私は、少し心がせまいと感じる所があるから、もっと心を豊かにしていかないといけないという不安です。けれど、夢を叶えるために、その20%を少しでも減らしていけるように、がんばっていきたいです。

この文章を書いて、私は働くということをあまりよくわかっていませんでした。お父さん、お母さんが働いている事で何を感じているのか、考えてもいませんでした。だけど、働く事によって得られる喜びそして、働いている人への感謝の気持ちを学ぶことができました。このことをふまえて、いざ!自分の未来へ出発!!

講 評

力強いタイトルにまず、引かれました。そして、働くことにおけるやりがいの大切さを見出したうえで、耳鼻咽喉科の先生になりたいという自身の夢に向けて、心の豊かさの養成などの課題も見定めてあって、タイトルに至る土台がしっかりと築けていると感じました。