作文
仕事も生活も「三方よし」
LCA国際小学校4年 角田 光さん
五月四日、僕はキッザニア東京に行った。そこは室内の町みたいで、色々な職業のパビリオンがあった。中に入るといきなりものすごい人でその賑やかさに圧倒された。救急車、消防車、宅配便、はとバスが行きかっていて、騒がしかった。パビリオンの予約を取ったり、電子マネーのカードを作ったり、銀行の口座を作ったり、全てを子どもがやる世界だった。僕はそこで、職業体験をした。そこで、特に印象に残ったことが、約百種類の職業があったことだ。なぜなら選ぶことが大変だったからである。その中でもやりたくてやったのが、総合商社、パイロット、地下鉄運転士、そして、発明家だった。その中でも、総合商社の事を説明する。
総合商社ではスライドを使いながらプレゼンテーションを作る作業をした。そのプレゼンテーションは、日本製のデニムバッグの良さをアメリカにいる会社のえらい人に伝えることである。そこで、プレゼンテーションを作る前に、「三方よし」と言う言葉を知った。それは、売り手よし、買い手よし、世間よしと言うこと。つまり、売り手もいい気持ちになって、買い手もいい気持ちになり、環境にも優しいと言うことである。皆が平等に喜びを感じられることは、素晴らしいことだなと思った。そして僕は、それを聞いた途端に胸がぱあっと明るくなった。僕はそんな仕事に就職したい。僕は三方よしをこれから生活でも活かしていこうと思う。
その後プレゼンテーションのスライドを作った。まずは糸を染める工程である。ぼくは糸をあい色に染めた画像をスライドに載せた。あい色は海外ではジャパンブルーとも呼ばれているらしい。ぼくは日本のあい染めが海外にも認められているのかなと感じた。続いて織る工程である。織る工程では、機械が生地を織っている画像を選んだ。僕は品質が良くなるように機械で細かく正確に織ると聞いて、驚いた。改めて機械ってすごいと思った。次は縫う工程である。縫う工程では、ミシンで縫っている画像を選んだ。いつまでも強度が保てる独自の方法で、縫い上げているらしい。僕は、それは器用な日本人にしかできないと聞いて驚いた。僕は日本人の器用さが、世間に認められているのだなと感じた。その後の工程は加工である。加工では洗濯機で洗っている画像を選んだ。ウォッシュ加工で生地を柔らかくし、使いやすくするらしい。僕は確かに柔らかいほうが使いやすいと思った。その後プレゼンテーションをした。アメリカの会社のえらい人、ジョンさんにテレビ電話で話した。まずは品質の良さを伝え、完成したものをみせて、サンプルを送ると伝えた。プレゼンテーションが楽しかったし、英語を使えたのがよかった。英語が通じて嬉しかったし、何しろジョンさんが喜んでくれたのが最大の喜びだった。ジョンさんが褒めてくれた時、僕はジョンさんの役に立てた気がして胸が暖かくなった。
そして、「三方よし」を僕の生活のなかでは、売り手、買い手、世間を、自分、家族、友達などに置き換えて活かしていきたい。僕は、あい色がジャパンブルーと呼ばれていて、日本人にしかできない縫い方があるので日本の良いところが世界に認められていることに気付いた。日本人として誇りを持ってこれから生活していけばいいのかなと総合商社の体験で改めて思った。キッザニアには、たくさんの職業があって、選ぶのが大変だけど、楽しかった一面もあった。今回の体験で、「もしかしたら働くことは、誰かの役に立てることなのかもしれない。そして、働くこと自体が『三方よし』なのかもしれない」と思った。僕にはまだ世界にどんなにたくさんの職業があるか分からないけれど、たくさん楽しめて、自分も相手も世界も心が温まる職業を将来選びたい。
講 評
職業体験をした時のことを具体的にえがきながら、その中で出会った「三方よし」という言葉を軸(じく)に、これからの生活や将来の職業について考えを深めていく。そうした全体の構成が、見事でした。と同時に、決意が、とても頼もしく感じられました。