作文
幸せのパン屋さん
明治学園小学校4年 野入 桃子さん
あなたにとって幸せの香りは何ですか?私にとって、それはパンです。
焼きたての香ばしい香りが店内にただよい、お客様の笑い声。どのパンも人気で売れ切れ続出!
「あのパン売り切れなの?大好きなのに。」
お客様のがっかりした顔に申し訳なく思うけれど仕方がない。私が焼いたパンは、どれも大人気なのだから。
テレビのニュースで食べられない子ども達の存在を知りました。調べてみると、それは海外だけの話ではなく、日本でも起こっていることだったのです。
日本では、年間やく643万トンもの食べ物が食べられるのに捨てられています。そんな日本で、うえで死んでしまう命があるのです。この事実に私はおどろきました。うえで死ぬなんて戦時中のことだと勝手に思いこんでいたからです。
戦争をしている国では今も、地下シェルターにかくれるように暮らして、食べる物も食べられない不自由な暮らしがあります。子どもが少年兵士となり、戦争に行くこともあるそうです。私が知らなかった世界には、私の想像もおよばない現実があったのです。
大人になった未来の私は、パン屋さんになって毎日おいしいパンを焼いていてほしいです。そして、食べられない子ども達の支えんをしているのです。食べられずに、うえで死んでしまう子供達がいなくなるように活動をしているのです。
朝、お母さんが焼いてくれたバタートーストのとろけるような味を思い出します。
「おいしい。今日も一日がんばろう!」
そんな気持ちになって、私に元気がわいてきます。ひどく落ち込んだ日の、おやつのあんぱんの優しい味を思い出します。
「おいしい。明日は今日よりも少しだけ良い日になりますように。」
そんな気持ちになって、私に勇気がわいてきます。パンは、いつも私に元気と勇気を届けてくれます。いつか私も、おいしくて食べると元気がでる、そんなパンを焼いて世界中に届けたいです。
カランコロン
今日も幸せのパン屋が開店します。世界中の人々が、笑顔で私の焼いたパンを食べてくれています。そして、世界のどこかで今日も笑ってくれているのです。
「おいしい。明日もがんばろう!」
私の焼いたパンが、どこかにいる誰かの元気になっていてほしい。
「おいしい。大切な人と一緒に食べよう。」
私の焼いたパンが、どこかの誰かと誰かをつないでいてほしい。
働くことは楽しいだけではなく、大変で困なんなこともたくさんあると思います。しかし、幸せに生きることにつながっていくためのものであってほしいです。
講 評
世界中の人々を笑顔にして元気づけるような、また、どこかの誰かと誰かを結びつけるような、そんな「幸せのパン屋さん」になりたいという、熱くみずみずしい思いが、ひしひしと伝わってきました。焼きたてのパンの香り、いいですね。