低学年の部
最優秀賞
「ゆめがふくらむ」
愛媛大学教育学部附属小学校2年 若狹 早さん
ふんわりメロンパンに、さくさくクロワッサン、ねこの形のねこパンも。やきたてパンにかこまれて、いらっしゃいませ。ぼくのゆめは、パンやさんになることです。
ぼくはパンが大すきです。朝はいつも白ごはんを食べて小学校に行きますが、土曜日の朝食には食パンがとうじょうします。ぼくはうれしくて、バターをたっぷりぬってぱくぱく食べます。小学校のきゅう食は、月曜日がパンの日です。だから月曜日がお休みの日は、かぞくでパンやさんに行きます。ぼくたちのお気に入り「うちだパンさん」は、なんと七十六年もパンをやきつづけているお店です。そのことをはじめて知った時、ぼくはびっくりしました。そして、ぼくも大きくなったら「町の人に長く親しまれるパンやさん」になりたい、と思うようになりました。
ぼくは図書かんに行き、パンやさんがどのようにはたらいているのかしらべました。パンやさんの一日はかなり早いです。パンがまをあたためている間にパン生地をこねて、いろいろな形を作ります。「はっこう」のぐあいはその日によってちがうので、ていねいにかくにんします。また、パンがまはとてもあついので、気をつけてあけしめしないといけません。パンがふっくらこんがりやけたら、どんどん新しいパンをやきます。パンがまの前にいると、冬でもあせびっしょりになるそうです。パンやさんががんばってやいてくれたおかげで、たくさんならぶおいしいパン。ぼくは本を読んで、パンやさんのことがもっとすきになりました。
パンやさんは、パンをやいてお店で売ることのほかにも、おしごとをすることがあります。うちだパンさんは、パンのはいたつもしています。そして「小学生はいく大会」を年二回、行っています。社長のうちださんが、「はいくの町、まつやまの子どもたちによろこんでもらいたい。」
という思いではじめたそうです。ぼくのお父さんとお母さんもその思いをおうえんするため、はいく大会のお手つだいをしています。
三学きのはじめ、ぼくもはいく大会にさんかしました。お絵かき上手のお父さんがホワイトボードにパンの絵をかきながら、はいくの作り方を教えてくれました。みんなのすきなパンは何か、どうしてすきなのか。出て来たことばを五七五でつなげると、すてきなはいくのかんせいです。おいしそうなパンのはいくがたくさんあったので、ぼくはおなかがぐうぐうすいてしまいました。
冬ぬくし三つにわけるメロンパン
かぞく三人で一つのメロンパンを食べた時のことを思い出して、このはいくをよみました。ぼくがパンやさんになったら、お店にかざりたいと思っています。
ぼくのお母さんは、ときどきお家でパンをやきます。パン生地をずっとこねるのはたいへんなので、ホームベーカリーにこねてもらいます。パン生地ができたら、小さく分けて丸めます。ここでぼくの出番です。ころころ、ころころ。やわらかいパン生地を丸めるのが、ぼくは大すきです。ぜんぶ丸めおわったら、四角い入れものにならべて「はっこう」させます。大きくふくらんでいくすがたは、いつ見てもワクワクします。パンやさんというぼくのゆめが、いっしょにふくらむみたいです。
パン生地がぷっくりしたら、オーブンでやきます。十分たつとこうばしいにおいがします。もう少しです。それから八分まって、パンにやき目がついているかかくにんします。オーブンはとてもあついので、とり出すのはお母さんにまかせます。
「できた!」
ほかほかのちぎりパンのかんせいです。やけどしないように気をつけながら、一つちぎって二人であじ見します。
「おいしいね。」
そう言って、ぼくもお母さんもにっこり。
いつかぼくの作ったパンで、町の人がにっこりしてくれますように。そうやってはたらくことは、とってもしあわせなことだと思います。ぼくのゆめはパンやさん。おいしいパンをならべて、町の人に長く親しまれるパンやさんを目ざします。みなさん、ぼくのお店はメロンパンのはいくが目じるしです。
講 評
パンが大好きなこと、そして、「町の人に長く親しまれるパンやさん」になるのがゆめであること、大変よく伝わってきました。やきたてのほかほかパンのようなあつい思いが、ひしひしと感じられもしました。また、全体的にしっかりと整理され、いろいろとと工夫がこらされてもいて、作文の書き方についてもとても感心しました。「町の人」ではないわたしも、メロンパンのはいくが目じるしのパンやさんに、いつか入ってみたいものです。
優秀賞
「絵本のせかい」
矢留小学校2年 たばた ゆいねさん
わたしは、大きくなったら、えほんを書く人になりたいです。
わたしは、クレヨンしんちゃんや、しずくちゃんの絵本が大すきです。読んでいると、くすっとわらったり、しずくちゃんみたいに、きれいなせかいがひろがってわくわくします。絵本には、お話と絵がぎゅっとつまっていて、めくるたびに楽しい気もちになります。わたしも、そういう楽しい絵本を、いっぱいつくってみたいです。
わたしは、紙をかさねて絵本をつくるのが大すきです。はじめて書いた絵本は、「ヤバクねっす」というタイトルです。「こんなことあったらヤバイよねー」と、おもしろいことを考えながら書きました。ページをめくるたびに、つぎのせかいがあらわれるのがとっても楽しいです。お母さんが、「すごくおもしろいね!」と、たくさんほめてくれて、わたしは、とってもうれしくて(また書いてみたいなー)と思いました。
わたしがつぎに書いてみたいお話は、ライオンさんが、森のどうぶつたちをあつめて、「カラオケ大会」をひらきました。でも、ライオンさんのうたは「ガオーーー!」とさけんだだけ。その声があまりにも大きくて、森の木のみがポロポロおちてきて、りすさんは「もうこれは、どんぐりまつりだー!おどるしかないっ!」と言って楽しくおどりはじめました。すると、まわりのどうぶつたちも「食べちゃおう!」とあつまってきて、いつのまにかカラオケ大会は、どんぐりの早食い大会になってしまいました。ライオンは「うたうつもりだったのにー!」と言いながら、はずかしそうにテヘッとわらいました。
この絵本を読んでくれた人たちがわらってくれたら、わたしはとってもうれしいです。絵本を書くしごとは、大へんなときもあるかもしれないけれど、読んだ人のこころをあたためたり、えがおにできるすてきなしごとだと思います。わたしは、そんな絵本をつくって、たくさんの人にやさしい思いをとどけたいです。
講 評
カラオケ大会のつもりで、森のどうぶつたちをあつめたのに、自分の声が大きすぎて、いつのまにかどんぐりの早食い大会になってしまったというのは、とってもおもしろいですね。ライオンのてれわらいが目にうかぶようです。すてきな絵本作家をめざして、そうぞうりょくをいっぱい働かせて、書きつづけてください。
入賞
「心が大じ」
白百合学園小学校2年 よこ山 みちるさん
わたしは、今までしょう来のゆめはきまっていませんでした。
でも、このコンクールをうけようときめていろいろなことを考えていたら、やりたいおしごとがたくさんあることに気がつきました。
中でも、なりたい思いがつよかったおしごとは学校の先生、おいしゃさん、はいしゃさんでした。考えてみるとわたしは、すぐなりたいものがコロコロとかわると気づきました。なので、わたしが大人になったらいろいろなことをやってみようと思いました。
わたしがなりたいものがコロコロとかわるのは、いろいろなおしごとをしている方がたに出あって、そのたびにすてきだなと思ったからだと気づきました。
たとえば、わたしの学校の先生は算数のじゅぎょう中に、たくさんの生とがいるのに一人一人のノートを見て回って、わたしにもにっこりしてくれます。わたしはそれがとてもうれしいです。
おいしゃさんやはいしゃさんも、わたしにとってみぢかなそんざいで、しんさつの時にいつもわたしにやさしくしてくださって、わたしはあん心します。
こうしてふりかえると、どのおしごとも、一ばん大せつなのは、心だとかんじました。わたしもいつかかならず人のやくに立てる大人になりたいです。そのために、回りの方のように思いやりのある心やえがおでいることを大せつにします。
講 評
いろいろなおしごとをしている、心やさしい方がたに出あえて、よかったですね。これからももっと、はたらく人たちとのすてきな出あいがあることでしょう。多くの出あいを重ねながら、「心」を「大じ」に、しょうらいなりたいしごとを見つけていってください。
入賞
「私のゆめはじゅういさん」
田中学園立命館慶祥小学校1年 小林 叶佳さん
私のお父さんとお母さんは、毎日働いていています。お父さんは会社でお仕事をしています。お母さんは病院でお仕事をしています。働くとお金をもらえます。そのお金で私は大好きな学校に行ったり、習い事に行ったりできます。あと、かわいいおようふくも着ることができます。でも、お金だけではなくて、だれかの役に立つことも大切だと思います。
私にはハムスターがいました。名前はエルサです。エルサは小さくて、私の小さな手でも、少しでも強くさわったらこわれてしまいそうでした。でも、あたたかくて、いいにおいがしました。私はきょううだいがいないので、エルサは妹みたいでかわいくてかわいくて仕方がありませんでした。エルサに少しでも気持ちよくすごしてもらいたくて、お部屋の温度の調せいや、毎日お水やごはんの交かん、うんちのそうじもしました。毎日することは大変だったけど、一度もいやだと思いませんでした。エルサはお話することはできないけど、ずっと一しょにいると表じょうでよろこんでいるのがわかって、すごくうれしかったです。エルサのためにできることは、なんでもしてあげたいと思いました。
このとき、ふと、私のお父さんとお母さんも、私にたいして、今の私と同じような気持ちなのかなと思いました。働くことは大変です。でも、大切な人のことを考えて、大切な人のために働くことは、楽しいし、うれしいし、心がポカポカすることだと思いました。
だから、しょうらいは、みんなの心がポカポカになるような、やさしいじゅういさんになりたいです。
講 評
ハムスターのエルサのせわを通して、働くお父さんとお母さんの気持ちが思いえがけたって、すごいですね。そんなふうに人の気持ちを思いやれれば、「心がポカポカになるような」じゅういさんに、きっとなれると思いますよ。
入賞
「みんなをよろこばせるしごとがしたい」
世田谷区立若林小学校1年 あらい かずきさん
なつにディズニーシーにいきました。そこでは、キャストの人がてをふったり、ダンスをおどったり、ニコニコのかわいいかおであいさつや、いってらっしゃいのかけごえをしていました。ぼくはそれがかっこいいとおもいました。あいさつやかけごえがあると、みんながもりあがります。あそびにきたみんなにたのしんでほしいというつよいきもちがつたわってくるから、ぼくもまねしたいなとおもいました。
ぼくは、たいそうが大すきです。だから男の子だけのチアリーディングを見にいったことがあります。がるがるとちゅうがえりをしたりばくてんをしたりしていて、とてもかっこよかったです。一かいから二かいくらいまでのたかさまで人をもちあげることもできます。ぼくは、おにいさんたちにもちあげてもらったときは、かぜがひゅーっとふいてきもちよくて、とおくがみえてとてもすてきでした。ぼくもチアリーディングでだれかをよろこばせるしごとがしたいなとおもいました。
どんなしごとをしたいかときかれたら、みんなをよろこばせたりはげましたりこまってる人をたすけてあげられるしごとをしたいとおもいます。みんなをもりあげて、えがおにしてあげたいです。だからいまは、クラスのみんなにやさしくしたり、わからないことをおしえてあげてます。たいいくのせんせいもいいし、スポーツせんしゅもいいし、なんでもできる人になれるようにまいにちうんどうやストレッチをがんばっています。
講 評
たいそうが大すきなのですね。わたしはにがてですが……。たいいくのせんせいでも、スポーツせんしゅでも、チアリーディングでも、とにかく大すきなたいそうでみんなをよろこばせるしごとがしたい、という気持ちが、よくわかりました。





