社会保険労務士法人ユアサイド代表社員 社労士 中宮伸二郎氏 キャリアパワー開催セミナーより一部抜粋
<目次>
女性活躍推進法と次世代育成支援対策推進法の目的
一般事業主行動計画
女性活躍推進法の情報公表
男女の賃金差異
女性活躍推進法と次世代育成支援対策推進法の目的
女性活躍推進法(女活法)と次世代育成支援対策推進法(次世代法)は、どちらも2025年3月31日までの期間を定めて施行されている法律です。女活法は、女性の職業生活における活躍の推進を促すことを目的とし、次世代法は、仕事と子育ての両立のための雇用環境整備を促すことを目的としています。
どちらも、民間企業の自主的な取り組みにより雇用環境を整備することを促すため、常時雇用者数101人以上の企業に対し、一般事業主行動計画の作成、公表を義務付けています。
一般事業主行動計画の達成度合いに応じて、女活法は「えるぼし」、次世代法は、「くるみん」の認定を受けることができます。
一般事業主行動計画
女活法、次世代法どちらも2年から5年の計画期間で一般事業主行動計画を策定し、インターネットを利用して公表、都道府県労働局へ届出でます。
女活法の一般事業主行動計画は、企業規模に応じて数値目標を定めなければなりません。
301人以上の企業の数値目標は、「女性労働者の職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活の両立に資する雇用環境整備」の2分野から、各1項目以上の数値目標を設定します。101人以上300人以下の企業の数値目標は、2分野から1項目以上の数値目標を設定します。
次世代法の一般事業主行動計画は、数値目標を定めることは義務ではなく、望ましいこととされています。
女性活躍推進法の情報公表
次世代法は、一般事業主行動計画の実績について情報公表の義務はありませんが、女活法は、企業規模に応じて実績の公表義務があります。
301人以上企業は、「女性労働者の職業生活に関する機会の提供」と「職業生活と家庭生活の両立に資する雇用環境整備」の2分野から、各1項目以上および「男女の賃金差異」の合計3項目を公表しなければなりません。
101人以上300人以下の企業は、2分野から1項目以上を選択し、公表しなければなりません。
公表の方法は、インターネットと利用し、自社のホームページに掲載、もしくは厚労省の運営する女性活躍推進企業データベースに掲載することとされています。
男女の賃金差異
2022年7月から、301人以上企業の情報公表に「男女の賃金差異」が追加されました。賃金差異は、正規労働者、非正規労働者、全ての労働者の3区分で集計、公表しなければなりません。計算方法は、「女性の1人当たり平均年間賃金÷男性の1人当たり平均年間賃金」により、小数点第2位を四捨五入します。計算方法について詳細な規定はなく、対外的に説明責任を果たせるよう適切な算出方法とすることが求められています。
「男女の賃金差異」は、事業年度終了から概ね3か月以内に前年度の実績を公表します。3月決算の企業は、2023年6月頃が初回の公表となります。公表対象企業の方は、お早めにご準備ください。
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