連合が7月に発表した春闘の第7回(最終)回答集計によると、平均賃上げ額(5272労組、約288万人の加重平均)は1万560円(賃上げ率3.58%)となり、1993年の3.90%に次ぐ高い上げ幅となりました。2000年以降、賃上げ率は1.6~2.2%の低い水準で推移してきましたが、昨年来の物価急上昇によって賃上げ機運が一気に高まり、今年は94年の3.11%以来の3%台を記録しました。
企業規模別では300人以上の中堅・大企業(1449労組、約251万人)が1万957円(同3.64%)、300人未満の中小企業(3823労組、約36万人)が8021円(同3.23%)となり、大企業の伸びが高くなっています。
また、非正規の賃上げは時給ベース(377労組、約81万人)で5.01%(52.78円)アップの1095円となり、15年以降で最高。月給ベース(136労組、約3万人)では3.18%アップの6828円となりました。
今後は、実質賃金がプラス転換し、年間を通じてプラスを維持できるかどうかがカギになりますが、そのためには生産性の向上が絶対条件。とりあえず、中小企業や非正規労働者の賃上げ率が大企業並みの水準になるかどうかが焦点になっていますが、中長期的には付加価値のより高いモノやサービスを生み出して個人消費を活性化することが必要です。でなければ、大幅賃上げも1年だけの“打ち上げ花火”に終わってしまいかねません。そのためには、官民挙げてようやく本格化してきた「人への投資」を急ぐ必要がありそうです。
提供:アドバンスニュース
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