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「人手不足」倒産、2023年度は過去最多の313件 帝国データ

帝国データバンクが4月5日発表した「人手不足倒産の動向調査」によると、2023年度は22年度の2倍以上の313件となり、この10年の最多を記録したことがわかりました。建設、物流企業が多く、どちらも今年は「24年問題」に直面しているとあって先行きは深刻です。

業種別では建設94件、物流46件、その他173件。従業員別では10人未満の零細企業が232件の7割以上、業歴別では30年以上の老舗が4割近い119件を占めています。零細企業が多いのは、退職社員の代替人材を確保できなかったり、資格を持つキーパーソンの不在などのためです。

同社が2月に発表した人手不足割合調査では、物流が70.8%、建設が69.0%でダントツに高く、全業種平均の52.4%を大きく上回った一方、コストの価格転嫁率も各26.9%、38.0%で平均40.6%を下回るなど、経営環境はかなり厳しい状況です。こうした状況下で「2024年問題」を迎えたことから、同社は「人材確保・定着に向けて厳しい局面が続く」と予想しています。

建設業など9053件の大幅増 2023年度倒産、東商リサーチ
また、東京商工リサーチが4月8日発表した全国企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、2023年度は9053件(前年度比31.6%増)、負債総額約2兆4631億円(同6.0%増)となり、件数、負債額とも2年連続で増えました。件数は14年度以来9年ぶりの9000件台で、資材価格の高騰などによる建設業の破綻が目立ちます。

産業別ではサービス業他の3028件(同34.8%増)で最も多く、建設業が1777件(同39.4%増)、製造業が1006件(同25.4%増)、卸売業が1048件(同27.0%増)。資材高や仕入れコスト増加の一方、その分の価格転嫁が進まず、資金繰りに窮した企業が多かったとみられます。

要因別では、「物価高」倒産が684件(同約1.7倍)と急増し、「ゼロゼロ融資」利用後の倒産が622件(同14.3%増)で最高を記録、「税金滞納」倒産が82件(同約3.4倍)。「ゼロゼロ融資」後の件数は20年7月以降の累計で1369件に上り、コロナ対策で急場はしのいだものの、「税金滞納」と同様に過剰債務の副作用で行き詰った形です。

また、負債1000万円未満の倒産も498件(同16.9%増)で3年ぶりに前年を上回りました。同社によると、コロナの支援策で借入金が膨らみ、負債1000万円以上に”編入”された企業が多かったことから、伸び率は鈍かったものの、中小・零細企業の息切れが本格化した兆しとみられています。

提供:アドバンスニュース

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