CATEGORY

テレワークにおけるメンタルヘルス対策のポイント

You’s社会保険労務士事務所代表 社労士 中岡静香氏 キャリアパワー開催セミナーより一部抜粋

テレワークを導入している企業はコロナウイルス感染症拡大などを契機に、この2・3年で増加し、総務省の統計調査では約半数以上の企業が導入しているという結果が出ています。

<目次>
テレワークを導入する主な利点と課題
企業事例の紹介
まとめ

テレワークを導入する主な利点と課題

1.テレワークを適切に導入・運用することには、「通勤時間を節約することができる」、「業務に集中できる」、「育児・介護と仕事の両立がしやすい」などの利点があります。
結果としてストレス軽減につながり、メンタルヘルスに良い影響をもたらすとの報告が聞かれます。

2.他方で「長時間労働になりやすい」、「コミュニケーションが取りづらい」などの課題があります。
とくにコミュニケーション不足は深刻で、人間関係を構築できていない新入社員や人事異動で新しい部署に配置された者は、不安やストレスを抱えているといわれます。

そのため、テレワークの適切な運用を含めた、職場におけるメンタルヘルス対策を更に推進することが必要です。

企業事例の紹介

ある企業では、コロナ渦以降社員の在宅勤務が増えたことで働き方が多様化し、社員同士のコミュニケーション不足、仕事量増などによりメンタル不調者を訴える社員が増えました。
そこで、以下の取り組みを行いました。

ストレスチェックの実施と面接指導の実施体制の確立(1次予防)

ストレスチェックを実能することで労働者個人や職場ごとのストレス度を把握し、高ストレスの者に対しては、産業医による面接指導などを行うフォロ一体制を整える。

メンタルヘルスに関する教育機会の設定(1次予防)

従業員(管理職も含む)に対してはセルフケア研修、管理職に対してはラインケア研修を行うなど、メンタルヘルスに関する知識やメンタルヘルス不詞者への対応方法などの教育を行う。

職場復帰や再発予防を中心とする支援体制の仕組みの確立(3次予防)

不調者が復帰した場合には、医師の意見を踏まえ、いつ、だれが、どのように支援を行うかなどの支援体制を事前に決定しておく。不調者の復帰に向けた短時間勤務や業務制限などの配慮を行う。

オンラインを含めたランチミーティングの開催

定期的に従業員の自宅に食事を手配するサービス(会社負担)を利用して、ランチミーティングを行う。コミュニケーション促進を図りつつ、上長は仕事上の悩み(新しい働き方への対応)などを聞きながら部下の心のケアも行う。

これらの実施に当たり、企業は専門家の意見を聴いたり、公的機関(「こころの耳」(厚生労働省管轄HP)・「産業保健総合支援センター」など)等を活用しました。また運動も有効的に取り入れ、社内のオンラインでの朝礼で体操を行ったり、万歩計アプリの歩数によるインセンティブ制度なども導入しました。
これらの取り組みにより社内でメンタルヘルスの「相談・支援体制」が確立し、メンタル不調者数の減少へとつながりました。

まとめ

テレワークの大きなメリットは、無駄な移動を減らして効果的に働けることです。
単なる時間の創出だけでなく、従業員のモチベーションを高め、仕事の効率を上げるため、テレワークの適切な導入は大切といえるでしょう。
また企業のテレワーク導入の可否は、採用にも影響します。導入できる業種等であれば、有能な人材の流出防止、離職防止、労働力確保にもつながります。

それぞれの企業や働き方、需要、時勢に沿って、運用を柔軟に行っていくことが大切です。

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。