社会保険労務士法人ユアサイド代表社員 社労士 中宮伸二郎氏 キャリアパワー開催セミナーより一部抜粋
<目次>
導入
何を調べに来るの?
2021年度東京労働局の派遣先に対する主な指導内容
導入
労働局需給調整事業部門が指導のために派遣先を訪問することがあります。派遣元は3年~5年に1回程度、定期指導監督を受けています。その際に派遣先の事業所名と従事する業務内容、人数等を記載した名簿を労働局に提出しています。労働局はその名簿によって派遣社員を受け入れている事業所であることを把握し、派遣先の指導に行きます。原則として突然、訪問することはなく事前連絡があり、日程調整の上で訪問しています。また、派遣社員からの申告により、指導が必要と認められる場合も訪問することがあります。
何を調べに来るの?
派遣社員を受け入れていると、労働者派遣法により派遣先にも様々な責任が生じます。派遣先指導では、派遣先に保存されている帳票類を点検されることが多いです。派遣先には、以下の帳票が保存されていなければなりません。
2021年度東京労働局の派遣先に対する主な指導内容
東京労働局では、年度ごとに指導監督状況を公表しています。2021年度の派遣先に対する主な指導項目は、以下の3点です。
①派遣先管理台帳の記載内容に不備がある
派遣先管理台帳は、派遣元からひな形を提供されることもありますが、派遣先に作成義務が課せられているため、記載内容に不備があると派遣先が指導されてしまいます。また、派遣就業の記録である以下3項目については、派遣先が自ら記録しなければなりません。特に休憩時間は、使用する勤怠システムによって、表示されないこともあるため注意が必要です。
②比較対象労働者の待遇等に関する情報提供に不備がある
比較対象労働者の待遇等に関する情報提供は、派遣会社の待遇決定方式が労使協定方式の場合、給食施設・休憩室・更衣室・業務遂行に必要な教育訓練に関する情報を提供しなければなりません。情報提供は、派遣個別契約締結の都度行わなければならず、初回のみ提供し、更新の際に提供していないと情報提供に不備があると判断されます。提供内容が前回と同じであれば、「○年〇月〇日情報提供から変更なし」とすることも認められていますので、必ず情報提供を行ってください。
③労働者派遣契約に不備がある
労働者派遣契約の記載事項は、法改正の都度、変更されています。古い様式のまま使用していると記載事項不備となってしまいます。前回改正の追加事項である「業務に伴う責任の程度」「協定対象労働者に限定するか否か」が含まれている最新のものであることをご確認ください。
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