CATEGORY

外国人雇用の注意点|製造業での雇い入れが可能な在留資格やポイント

製造業の経営者や人事部の皆さま、外国人雇用を検討されている方も多いでしょう。

「人手不足の解消に、外国人労働者を雇い入れたい。」
「高度な技術を持つ外国人を採用したい。」
「でも、外国人雇用はルールが難しそう。」

このようなニーズや悩みが良く聞かれます。

この記事では、製造業で外国人労働者を雇用する際の基本的なルールや注意点を解説します。
適切な外国人雇用で、企業の戦力強化を図りましょう。

<目次>
■外国人労働者を雇用する際の3つの注意点
1.就労可能な在留資格が必要
2.在留資格ごとに従事できる業務に制限がある
3.在留期間に定めがある
■製造業での在留資格・在留期間・業務範囲
1.技術・人文知識・国際業務
2.技能実習1・2・3号
3.特定技能1・2号
4.その他就労制限のない資格
■外国人労働者の賃金体系やその他の対応は?
■注意点を押さえて正しい外国人雇用を

外国人労働者を雇用する際の3つの注意点

外国人労働者を雇用する際は、不法就労にならないよう以下3点に注意してください。

1.就労可能な在留資格が必要

対象者が就労可能な在留資格を持つ外国人であるか、在留カードなどで確認してください。

就労可能な外国人

対象例

就労目的で在留が認められる外国人 教授、企業経営者など
身分に基づき在留する外国人 永住者、日本人の配偶者など
その他の在留資格を持つ外国人 技能実習、特定技能

 

資格のない外国人を雇用した場合、不法就労になります。

2.在留資格ごとに従事できる業務に制限がある

「身分に基づき在留する外国人」以外は、在留資格ごとに従事できる業務に制限があります。
いずれの対象業務にも当てはまらない単純労働や、資格対象外である保育士・ヘアメイクなどでの雇用は禁止です。

3.在留期間に定めがある

「身分に基づき在留する外国人」以外は、在留期間に定めがあります。
在留カードに記載されている在留期間を、必ず確認してください。

製造業での在留資格・在留期間・業務範囲

続いて、製造業で外国人を雇用する際に可能な在留資格や在留期間、業務範囲を具体的に紹介します。

製造業の方は、いずれの在留資格で外国人を雇用するのか、事前に確認してください。

1.技術・人文知識・国際業務

就労目的で在留が認められる外国人のうち、「技術・人文知識・国際業務」での就労資格を持つ方は、製造業で雇用できる可能性があります。

業務範囲

・技術系:製品開発、生産・品質管理、CADオペレーターなど

・事務系:通訳・翻訳、人事・総務、会計、マーケティングなど

在留期間

5年、3年、1年または3か月

バックオフィス系の職種での雇用がメインです。

2.技能実習1・2・3号

「その他の在留資格を持つ外国人」のうち、「技能実習」の対象である外国人も就労可能です。
技能実習は、以下3種類に分類されます。

種別

概要

1号 ・入国1年目に技能修得をする活動に従事するもの
・実習期間は原則1年
2号 ・実習2年目・3年目の技能実習に従事するもの
・2号へ移行する際に認められる「移行対象職種」が決まっている
3号 ・実習4年目・5年目の技能実習に従事する者
・主務省令の定めにより認められた企業のみが受け入れ可能

製造業の場合、食品製造、繊維・衣服の縫製、金属加工、機械検査、電子機器組み立てなどが対象業務として考えられます。

3.特定技能1・2号

「その他の在留資格を持つ外国人」のうち「特定技能」は、労働力が特に不足している産業分野での人材確保を目的に、2019年4月に新設された在留資格です。

種別

概要

在留期間

1号 14の職種が対象(素形材産業、産業機械製造、電気・電子情報関連産業、飲食料品製造業など) 1年、6月または4月
(通算5年まで)
2号 2つの職種に限定(建築、造船・舶用工業) 3年、1年または6月
(更新の上限なし)

製造業の場合、鋳造、機械加工、機械検査、機械保全、電子機器組み立て、プラスチック成型、工業包装などが対象業務として考えられます。

4.その他就労制限のない資格

職業に制限のない在留資格を持つ外国人も、製造業で就労可能です。
具体的には、以下の外国人が該当します。

在留資格

在留期間

日本人の配偶者等 日本人の配偶者、子など 5年、3年、1年、6月
永住者 法務大臣から永住の許可を受けた者 無制限
永住者の配偶者 永住者の配偶者や日本で生まれた子など 5年、3年、1年、6月
定住者 日系3世、中国残留邦人など 5年、3年、1年、6月、または法務大臣が指定する期間(5年以下)

上記の方は、日本人と同じようにどのような業務にも従事できます。
そのため、製造現場スタッフとして雇用したのちにバックオフィス業務に就かせるなど、部署異動や業種変更も可能です。

外国人労働者の賃金体系やその他の対応は?

外国人を雇用する際には、労働者がスムーズに就労を開始できる配慮が必要です。
具体的なサポート例を紹介します。

● 住居手配の支援
● 空港から住居までの送迎
● 市役所への転入手続きの同行
● 給与を支払うための銀行口座開設サポート
● 居住にあたっての説明(病院や警察の場所、緊急連絡先など)
● 工場内での作業手順書、構内ルールなどの翻訳作業
● 通訳の確保

雇用する外国人の状況に応じて、必要なサポートを心がけましょう。

また、賃金体系などの労働条件については、日本人と同じ取り扱いが必要です。
外国人への差別的な取り扱いは禁止されており、日本人労働者と同じく同一労働同一賃金が適用されるため注意してください。

給与額以外にも、以下についての対応が必要です。

● 社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険など)
● 税金(所得税・住民税)

外国人ならではのサポートと、日本人と同じ処遇の両面で、配慮が大切です。

注意点を押さえて正しい外国人雇用を

外国人を雇用する際には、日本人雇用と異なる注意点を理解し、適切な対応が必要です。
一方で処遇に関しては、日本人と不合理な格差を生まないよう、均衡・均等待遇を心掛けてください。

外国人雇用には、労働力不足の解消や高度な技術の導入など、多くのメリットがあります。
外国人雇用のルールを理解し、適切に労働できる環境整備を整えましょう。

Q1.留学生をアルバイトで雇用できますか?
「資格外活動許可」を受けている留学生のみ雇用できます。

風俗営業などの一部業務を除き、単純労働での雇用も許可されています。
ただし、勤務時間は1週28時間以内に収める必要があるため注意してください。

Q2.不法就労になった場合、罰則はありますか?
「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられる可能性があります。

「ルールを知らなかった」「正しく理解できていなかった」などの理由で免罰されないため、法令の正しい理解が必要です。

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。