未経験者でも派遣で活躍できる｜人手不足の課題解決へ向けた採用戦略

<目次>
導入文
未経験人材を派遣で採用する企業が増えている理由
　即戦力人材の確保が困難になっている
　未経験でも適応力が高い人材が増えている
　柔軟な受け入れが可能な「派遣」が注目されている
未経験者を派遣で採用するメリット
　教育負担を軽減しながら受け入れができる
　一定期間で適性を見極められる
　将来的に直接雇用も視野に入れられる
未経験者の派遣採用で注意すべきポイント
　業務内容や期待値を明確に伝える
　配属後のフォロー体制を整えておく
　モチベーション維持の仕組みを作る
まとめ　未経験人材の活用法として派遣での採用が見直されている

導入文

経験者採用のハードルが高まるなか、未経験者の採用に踏み切る企業が増えてきました。
しかし、受け入れ態勢や教育コストへの不安から、躊躇している企業も少なくありません。

そこで注目されているのが、派遣を活用した未経験人材の受け入れです。

本記事では、未経験者を派遣で採用する背景やメリット、導入時の注意点を公的データとともに解説します。
採用に課題を感じている人事担当者の方は、ぜひご一読ください。

未経験人材を派遣で採用する企業が増えている理由

未経験人材を派遣で採用する企業が、増えている理由についてまとめました。

●　即戦力人材の確保が困難になっている
●　未経験でも適応力が高い人材が増えている
●　柔軟な受け入れが可能な「派遣」が注目されている

それぞれの理由について、順にみていきましょう。

即戦力人材の確保が困難になっている

ベテラン社員の退職が進み、現場を支えてきた中核人材の不足が深刻化しています。
採用市場でも経験者の取り合いが続いており、特に中小企業では人材の確保が困難です。

経済産業省「2024年版中小企業白書」によれば、中核人材について「不足している」と回答した中小企業は74.5％にのぼります。
特に建設業や宿泊業などでは、8割以上が人手不足を実感しています。

即戦力のみに頼る採用方針には、限界が見え始めています。
今後は、未経験でも成長の見込める人材を受け入れ、現場で育てていく姿勢が求められます。

経済産業省｜2024年版中小企業白書

未経験でも適応力が高い人材が増えている

近年、多くの企業で採用基準に変化が見られます。
実務経験の有無よりも、柔軟性や人柄、学習意欲を重視する動きが広がっています。

厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、未就業から入職した人の割合は前年比で0.3ポイント増加しました。
特に、女性の未就業入職率は6.7％と、男性よりも高い傾向が示されています。

このような変化の背景には、若年層や女性を中心に、環境適応力に優れた人材が増えている点が挙げられます。
また新しい業務にも抵抗なく取り組み、周囲と連携しながら成果を出せる点が評価されています。

未経験者を積極的に受け入れる企業は、今後さらに増えると考えられます。

厚生労働省｜令和4年雇用動向調査結果の概況

柔軟な受け入れが可能な「派遣」が注目されている

未経験者を受け入れる場面では、現場でのサポート体制が不可欠です。
特に、初期段階での教育が不十分だと、早期離職や職場の混乱につながるため注意が必要です。

厚生労働省の調査によると「仕事開始時の基礎訓練」は、通常派遣で約7割、日雇派遣も5割を超えています。
OJTなどの段階的な育成体制が構築されており、未経験者でも業務に馴染みやすい環境が整っています。

派遣であれば、派遣先のリソースを大きく割かずに人材を受け入れられます。
未経験者の受け入れに不安がある場合でも、業務を通じて適性や相性を判断できるでしょう。

厚生労働省｜令和4年度 労働者派遣制度等の今後のあり方に関する調査

未経験者を派遣で採用するメリット

未経験者を派遣で採用するメリットは、以下の3点です。

●　教育負担を軽減しながら受け入れができる
●　一定期間で適性を見極められる
●　将来的に直接雇用も視野に入れられる

各メリットついて、詳しく解説します。

教育負担を軽減しながら受け入れができる

未経験者を採用する際に企業が懸念するのは、育成にかかる負担です。

派遣であれば、派遣元が初期研修や業務の基礎を指導します。
就業後も、定期的な面談やフォローアップを通じて、人材の成長を継続的に支援できます。

このため、派遣先の教育負担を大きく軽減できます。
限られたリソースで運営する中小企業にとって、即戦力育成へのハードルを下げる手段として非常に有効です。

一定期間で適性を見極められる

派遣制度を活用すれば、企業側が人材の適性や職場との相性を判断しやすくなります。
業務の進め方や協調性、吸収力などを現場で確認ができ、正社員登用に向けた見通しも立てやすくなります。

採用前に段階的な判断ができる点は、中小企業にとって大きな利点です。
ミスマッチによる早期離職のリスクを抑えながら、将来的な戦力候補としての育成も視野に入れられます。

将来的に直接雇用も視野に入れられる

派遣で受け入れた未経験者が意欲をもって取り組んでいる場合には、将来的に直接雇用への切り替えも選択肢として入ります。

「お試し採用」に近い形で段階的に登用へつなげられる点は、企業側にとってもメリットといえるでしょう。
「派遣→業務経験→正社員登用」の流れを活用する企業も増えています。

このように、未経験人材を雇用する一つの手段として、定着しつつあります。

未経験者の派遣採用で注意すべきポイント

未経験者の派遣採用で注意すべきポイントは、以下の3点です。

●　業務内容や期待値を明確に伝える
●　配属後のフォロー体制を整えておく
●　モチベーション維持の仕組みを作る

各ポイントについて、詳しく解説します。

業務内容や期待値を明確に伝える

未経験者にとって、「何をどこまで任されるのか」が見えていないと、戸惑いや不安を抱きやすくなります。
そのため、最初に担当業務や役割、期待される成果の明確化が大切です。

不明確なまま進めると、指示を待つだけになったり、意図と異なる動きをしたりする恐れがあります。

早い段階で共通認識を持てれば、不安や誤解を防ぎやすくなります。
受け入れの際には、業務説明書やマニュアルの整備、口頭での期待値の共有をセットで行いましょう。

配属後のフォロー体制を整えておく

派遣先が未経験者を受け入れる際には、配属後のフォロー体制が重要です。
業務内容や職場の雰囲気に慣れるまでに不安を感じるケースも多く、現場でのサポートが欠かせません。

受け入れ初期は、担当者が進捗をこまめに確認し、業務の進め方や困りごとをヒアリングする場を設けましょう。
定期的な声がけやフィードバックをすれば、安心感や意欲の維持にもつながります。

また、派遣元との連携も不可欠です。
派遣先・派遣元で情報を共有し、対応できる体制を整えておけば、定着率の向上が期待できます。

モチベーション維持の仕組みを作る

未経験者が意欲を保ちながら働くには、日々のなかで成長を実感できる仕掛けが必要です。
段階的に目標を設け、達成を評価できる環境を整えましょう。

例えば、1週間ごとの行動目標や、月ごとの習得項目を明確にし、達成ごとにフィードバックを行います。
こまめな声がけや進捗確認を通じて、成長を言語化できると自信にもつながります。
業務の幅が少しずつ広がり、それに応じて責任感とやりがいを感じられる環境が理想です。

まとめ　未経験人材の活用法として派遣での採用が見直されている

即戦力人材の確保が難しくなるなか、未経験者の採用は企業の人材戦略として注目されています。
一方で、育成や定着への負担を理由に、採用に踏み切れない企業も少なくありません。

そのため、近年は派遣による柔軟な雇用形態が再評価されています。
派遣であれば、教育リソースを抑えつつ、業務を通じた適性や意欲の見極めが可能です。
早期離職のリスクを下げ、将来的な直接雇用への移行も視野に入れやすくなります。

未経験人材の受け入れに悩んでいるなら、派遣の導入も検討してはいかがでしょうか？

メタディスクリプション
人手不足が続くなか、未経験人材を派遣で採用する企業が増えています。人事担当者に向けて、導入の背景やメリット、注意点を公的データとともに詳しく解説します。