You’s社会保険労務士事務所代表 社労士 中岡静香氏 キャリアパワー開催セミナーより一部抜粋
<目次>
ウェルビーイング(well-being)の定義
ウェルビーイングが注目されている背景
「ウェルビーイング経営」
まとめ
ウェルビーイング(well-being)の定義
まず、ウェルビーイング(well-being)の定義ですが、世界保健機関(WHO)憲章での提唱では、「肉体的、精神的、社会的すべての要素で満たされた、持続的な幸福な状態」とされています。
直訳すると、「良い状態」という意味で、「満たされた状態」とも訳されます。
またウェルビーイングの趣旨は、「心の豊かな状態である幸福」と「社会の良好な状態をつくる福祉」を合わせた、【「心と体と社会」のよい状態が「ウェルビーイング」であり、「健康・幸せ・福祉」を包括する概念】と言えます。
ウェルビーイングが注目されている背景
近年ウェルビーイングが注目されている背景は、大きく2つあります。
一つは「学問的理由」で、ポジティブ心理学研究等が挙げられます。
例えば、ある研究では、幸せな人は「創造性が3倍高い」、「生産性が1.3倍高い」、「寿命が7年から10年長くしかも健康である」などという結果も出ています。
もう一つは、「社会的な理由」で、価値観が変容してきた等です。
具体的には、時代の変化とともに、「カネ・モノ・地位」(他人と比べられる財)から、
「幸せ、健康」(他人と比べるものでなく自分の中で昇華させる財)の価値が重視されるようになってきました。
例えば個人の幸せのあり方はチームの幸せのあり方にも影響することがわかってきたため、実際に欧州を中心に、国や企業では人々の幸福で豊かな人生に重点を置いたウェルビーイングに取り組む推進活動が実施されています。
つまり「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」へ、時代の変化とともに、「価値観」が変わってきたのです。
「ウェルビーイング経営」
そして「ウェルビーイング経営」という手法も広まってきています。ウェルビーイング経営とは、従業員等の「精神的」、「社会的」に充実している状態を目指し、「健康経営」よりもより広く「社会的な健康」を目指す「概念」であると言われています。
例えばウェルビーイング経営に取り組むメリットは以下などが挙げられます。
□従業員のワークエンゲージメント・モチベーションの向上
□離職率の低下・採用率の向上
□健康経営の促進による医療費削減
例えばウェルビーイング経営に取り組んでいる企業(従業員200名弱規模のメーカーのディーラー社)では、経営者・役員陣を含めた社内全体で、以下のようなことを取り組まれています。
①.会議は様々な職種新人・ベテラン問わず出席し、意見を否定せず尊重し合える場を作り、自立した組織を作る。
②.互いが助け合える組織風土を作り、育休復帰率が100%。
③.地域との繋がりのため、自主的に夜間の見回りを清掃活動をしている
などです。
なおこちらの企業は、同メーカーのディーラーの中で、10年以上顧客満足度No.1を獲得しています。
代表者等も積極的にウェルビーイングの概念を経営で体現している例と言えます。
まとめ
まとめるとウェルビーイングを職場で行うには、まず経営陣等の意識改革が必要不可欠です。そしてウェルビーイングとは、新しく生まれた概念ではなく、本来人間が古来所有してた考え方ともいえます。現在は時代の変遷期ともいえ、大きな目線でウェルビーイング等を含めた”生き方“が、幸せになる鍵であるとも考えられます。
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