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派遣3年ルールには例外あり!|「無期雇用派遣」を解説

人員不足の補強や即戦力の受け入れとして、企業で活躍してくれる派遣社員。
実は、1つの組織で3年以上続けて勤務ができないルールをご存じですか?

「優秀な派遣社員にもっと長く勤めてもらいたい」
「せっかく業務を覚えてもらったのに、また新しい派遣社員に一から指導するのは大変」

このようにお考えの人事部の方もいらっしゃるでしょう。

そんなあなたへ、例外的に派遣社員を3年以上受け入れられる方法を5つご紹介します。
メリットや注意点も解説するので、派遣社員の受け入れの参考にしてください。

<目次>
■派遣社員の3年ルールとは
3年ルールの弊害
3年ルールの例外
■派遣社員に3年以上働いてもらう方法5選
1.無期雇用派遣を活用する
2.クーリング期間を設ける
3.受け入れ可能な期間を延長する
4.派遣社員を直接雇用する
5.紹介予定派遣を活用する
■同じ派遣社員さんに長く勤めてもらいたいならその方の雇用安定を重視

派遣社員の3年ルールとは

「3年ルール」とは、同じ派遣先組織で3年を超えた勤務を禁じる派遣労働法上の期間規制です。

以下2つの視点で、3年を超える勤務を禁止しています。

● 事業所単位:同一の組織で3年を超えて派遣労働者を受け入れてはいけない
● 個人単位:同じ労働者を同一の組織で3年を超えて派遣就業させてはいけない

例えば、営業部で派遣社員を受け入れた場合、途中で派遣社員が交代しても、3年以上の受け入れはできません。

不安定な雇用形態になりやすい派遣労働を、企業で常態化させないために設けられたルールです。

3年ルールの弊害

3年ルールの弊害
派遣社員を活用する派遣先企業にとって、派遣ルールによって不都合が生じる場合があります。

● 優秀な派遣社員に長く勤めてもらえない
● 同じ部署で派遣社員を長期に受け入れられない
● せっかく仕事を教えても3年以内に職場を離れてしまう

業務に慣れた派遣社員の長期勤務を希望しても、派遣就労のままでは3年以上の受け入れができません。

3年ルールの例外

3年以上の就労が派遣労働者にとって不利でないと考えられる場合や、特別な事由がある場合、3年ルールは適用されません。

以下5つに当てはまる場合は、3年ルールの適用除外になります。

● 派遣元で無期雇用されている派遣労働者
● 60歳以上の派遣労働者
● 有期プロジェクトへの派遣
● 1か月の労働日数が通常の労働者より少なく、10日以下の場合
● 産休や育休を取得する労働者の代わりに派遣される場合

派遣労働者を受け入れる際、3年ルールの適用除外に該当するか、派遣元企業と事前に確認してください。

■派遣社員に3年以上働いてもらう方法5選

派遣社員に3年以上働いてもらいたい場合、企業には5つの選択肢があります。

それぞれの特徴やメリット、注意点を解説しますので、自社の状況に当てはまる方法を検討してください。

1.無期雇用派遣を活用する

1つ目の方法は、派遣労働者を無期雇用している派遣元企業の活用です。

派遣元企業に無期雇用されている派遣労働者は、3年ルールの対象外です。
雇用期間に定めがないため、安定した雇用が期待できます。

メリット 同じ派遣労働者が3年を超えて同じ部署・同じ業務に従事できる
注意点 無期雇用の派遣労働者が多い派遣会社でも、全員が無期雇用とは限らないため事前確認が必要

3年ルールの適用除外を活用し、派遣労働者の長期就業を可能にする方法です。

2.クーリング期間を設ける

2つ目が、クーリング期間を設ける方法です。

派遣社員を最後に受け入れた日から、3か月を超える期間内に派遣労働者を受け入れなかった場合、3年ルールの対象となる通算期間がリセットされます。
この空白の期間を「クーリング期間」といいます。

メリット クーリング期間終了後から、再び3年間は派遣労働者の受け入れが可能
注意点 3か月は派遣労働者を完全に受け入れられない

クーリングオフ期間の後、再度3年間は継続して派遣受け入れが可能であるため、一時的に自社で業務をまかなえる企業にオススメの方法です。

3.受け入れ可能な期間を延長する

派遣の受け入れから3年が経過する際、事業所の過半数労働者等の意見聴取によって最大3年間、派遣可能期間を延長できます。

メリット 追加で3年間、派遣スタッフの受け入れが可能になる
注意点 ・派遣可能期間が終了する1か月前までに意見聴取する必要あり
・派遣可能期間が終了する1か月前までに意見聴取する必要あり
・期間を3年延長しても個人単位の3年ルールは適用されるため、同じスタッフを同じ部署で受け入れで きない

再延長も可能であるため、1つの組織で長く派遣労働者を受け入れられます。

4.派遣社員を直接雇用する

派遣労働者を自社で直接雇用すれば、3年ルールによる制限を受けません。
派遣労働者の雇用の安定につながるため、3年ルールの趣旨に沿った対応といえます。

メリット 就労できる制限期間がなくなり、業務範囲を増やせる可能性がある
注意点 社会保険料や福利厚生費などのコストが増える

優秀なスタッフに長く活躍してもらいたいのであれば、直接自社で雇用し、安定して働ける環境を提供できるよう検討してください。

5.紹介予定派遣を活用する

派遣後の直接雇用が前提の「紹介予定派遣」を活用すれば、雇用後の就労期間の制限がなくなります。

メリット 派遣期間中の働きぶりを見て、直接雇用の可否を判断できる
注意点 ・採用決定時に派遣元企業へ手数料を支払う場合が多い
・社会保険料や福利厚生費などのコストが増える

紹介手数料の相場は、理想年収の15~30%程度といわれています。
具体的な金額の決め方は派遣会社ごとに異なるため、手数料の少ない会社を選ぶとよいでしょう。

■同じ派遣社員さんに長く勤めてもらいたいならその方の雇用安定を重視

今回は、派遣就労の3年ルールを超えてスタッフに就業してもらう5つの方法を紹介しました。
それぞれのメリット・注意点を把握し、自社に合った方法を選択してください。

もし同じスタッフに、同じ部署で、派遣就労してもらいたいなら、選択できる方法は無期雇用派遣のみです。
現在活用している派遣企業が、スタッフを無期雇用で雇い入れているか確認してください。

会社側、派遣スタッフ本人の意向を尊重し、直接雇用の可能性も検討しつつ、無期雇用派遣を活用しましょう。

Q1.1.3年ルールを超えて派遣社員を受け入れた場合、罰則はありますか?
3年を超えて派遣社員を受け入れた場合、労働者派遣法違反となり、30万円以下の罰金に科せられる可能性があります。

3年ルールを知らなかった場合も罰則の対象になるため、法律の正しい理解に努めてください。

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