<目次>
派遣先管理台帳の有効活用で向上する会社価値
1.労働の質向上による生産性向上・業務効率化
2.社会的責任を果たす企業としての評価向上
派遣先管理台帳の概要
1.必要な記載事項
2.通知の方法とスパン
3.保管の方法と期間
派遣先管理台帳が義務付けられた背景と罰則規定
1.義務化の背景
2.義務違反による罰則
派遣先管理で必要なポジションや役割は?
派遣先管理台帳のフォーマットは?
派遣先管理台帳の有効活用で会社の価値を向上させよう
派遣先管理台帳の対応に迫られて、お悩みではありませんか?今回の記事では、派遣先管理台帳の基礎知識を解説します。
派遣先管理台帳の作成は、「労働者派遣法」で定められた義務です。
人材派遣業務を適切に運営するためにも、派遣先管理台帳の理解はマストといえます。
記事を読んでいただけると、概要や義務付けられた背景、罰則など「いまさら聞けない基礎知識」が身につきます。
会社の社会的価値を向上させるため、ぜひ最後までご覧ください。
派遣先管理台帳の有効活用で向上する会社価値
派遣先管理台帳の活用で、以下のプラス効果が見込めます。
●労働の質向上による生産性向上・業務効率化
●社会的責任を果たす企業としての評価向上
派遣先管理台帳の有効活用について、詳しく解説していきます。
1.労働の質向上による生産性向上・業務効率化
派遣元は、派遣先管理台帳の情報から、下記の改善を図ります。
●派遣者の労働環境の改善
●派遣先への継続的な改善提案
派遣先管理台帳は、派遣社員の適切な労務管理と、派遣元への情報提供に欠かせないツールです。
派遣元の改善活動で、派遣者社員の働きやすい環境の確保、パフォーマンス向上へつながります。
結果として、派遣先における生産性向上や業務効率化が期待できます。
2.社会的責任を果たす企業としての評価向上
労働環境改善も、企業が果たすべき社会的責任です。
近年、多様性を持った働き方について、企業にも積極的な取り組みが求められています。
その点で、派遣先管理台帳の確実な実施・報告は、企業としての評価につながるでしょう。
労働時間、休憩、休日、業務内容、指示などを記録することで、業務の適正化と安全衛生の確保に役立ちます。
結果として企業価値が向上し、優秀な人材採用にもつながります。
派遣先管理台帳の概要
派遣先管理台帳の概要を、以下の見出しに分けて解説します。
●必要な記載事項
●通知の方法とスパン
●保管の方法と期間
派遣先管理台帳の内容を正確に知るため、以下でそれぞれ解説します。
1.必要な記載事項
派遣先管理台帳には、下記の15項目の情報の記載が必要です。
1.派遣労働者名
2.派遣元名称
3.派遣元の事業所名称
4.派遣元の事業所の住所
5.無期か有期かの別
6.派遣就業した日
7.始業・終業時刻、休憩時間(実績)
8.業務の種類(実績)
9.就業場所
10.苦情の処理状況
11.紹介予定派遣である旨
12.教育訓練実施日
13.派遣先責任者、派遣元責任者
14.派遣受入期間の制限を受けない事項
15.労働・社会保険の加入状況漏れなく記載しましょう。
2.通知の方法とスパン
派遣管理台帳では下記の5項目について、1回/月以上の通知が求められます。
●(1)派遣労働者名
●(6)派遣就業した日
●(7)始業・終業時刻、休憩時間(実績)
●(8)業務の種類(実績)
●(9)就業場所
派遣元へは、紙またはFAX、電子メールいずれかの方法で通知します。
特に、派遣社員の実績については、綿密なコミュニケーションを心がけておきましょう。
3.保管の方法と期間
派遣先での派遣先管理台帳の保管は、紙かデータ(電子記録媒体)のいずれかです。
ただし、就業日や就業時間をタイムカードなどで、別に管理している場合は注意してください。タイムカードに該当する紙やデータも、派遣先管理台帳と併せて保管する必要があります。
なお、保管期間は、3年間と義務付けられています。保管の起算日は、派遣期間の終了日です。
派遣先管理台帳が義務付けられた背景と罰則規定
派遣先管理台帳の作成は、派遣法で定められている派遣先企業の義務です。
義務付けられた背景や罰則規定の理解は、派遣先管理台帳を適切に作成・運用するうえで重要です。
それぞれ解説していきます。
1.義務化の背景
派遣法は、1986年に労働力の確保を目的に制定されました。
2000年代前半、製造業への派遣解禁など規制緩和されるも、「偽装請負」などの問題が多発。派遣労働者保護の機運が高まりました。
2020年には、派遣労働者と正社員との待遇差を減らすための改正が行なわれました。
その中で、労働実態の把握を目的に、派遣先管理台帳の作成と派遣元への情報提示が義務化されたのです。
2.義務違反による罰則
派遣先管理台帳は、派遣労働者を守る観点から義務付けられています。そのため、違反には厳しい罰則が課されます。
派遣先が派遣元に情報提供しない、または虚偽報告するなどが罰則の対象です。派遣契約書の代用や、派遣元管理台帳の流用も認められていません。
30万円以下の罰金を課される場合もあるため、くれぐれも注意してください。
Q1.派遣先管理で必要なポジションや役割は?
派遣先では受入事業所ごとに、派遣労働者100人当たり1人の派遣先責任者が必要です。
派遣先責任者は、労働関係法令、人事・労務管理の経験・有識者の選任が望ましいです。派遣労働者の就業の権限も有していると、状況を把握しやすく円滑に遂行できるでしょう。
Q2.派遣先管理台帳のフォーマットは?
記載事項は特定されていますが、フォーマットの指定はありません。
各自治体の労働局などで配布しているものを活用するのが効率的でしょう。
フォーマットは共通化しておくと、視認性も統一されて運用しやすくなります。
下記より東京都と大阪府のフォーマットがダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
派遣先管理台帳の有効活用で会社の価値を向上させよう
派遣先管理台帳の作成は、派遣法で規定された義務です。
台帳の作成は義務ですが、作成のみにとどまらず有効活用を心がけてください。
派遣先と派遣元の連携強化は、派遣社員のパフォーマンス向上に直結します。また、社会的責任を果たす企業としての評価も高まります。
適切な労務管理で生産性の質を上げ、会社価値の向上を目指しましょう。
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