派遣禁止業務と適用除外に関する基礎知識｜罰則・対応策について解説

<目次>
導入文
派遣禁止業務に関する法的背景
派遣禁止業務の具体的な内容
1.建設業務
2.港湾運送業務
3.警備業務
4.医療関連業務
5.士業業務
派遣禁止業務の適用除外一覧
派遣禁止業務の罰則と企業に求められる対応策
1.罰則の具体的な内容
2.企業に求められる対応策
派遣の禁止業務に関するQ&A
派遣禁止業務の理解｜企業のリスク回避につながる

導入文

派遣労働に関しては、法律によって派遣禁止業務が存在します。

「派遣」については、多くの企業で活用されていますが、同時に、派遣労働者を保護するための配慮も必要です。

本記事では、派遣禁止業務の内容や法的背景、適用除外の条件について徹底解説。
また、違反した場合の罰則、企業が取るべき対応策についても触れていきます。

ぜひ最後までお読みいただき、派遣の禁止業務に抵触しないように心がけましょう。

派遣禁止業務に関する法的背景

労働者派遣法に基づき、派遣労働者に従事させてはならない業務が存在します。
禁止業務となる理由は、以下の通りです。

上記の理由から、派遣労働者が従事できる業務が一部制限されています。
派遣元は、派遣先と派遣契約を結ぶ際には、業務内容が適法かどうかを慎重に確認する必要があります。

派遣禁止業務の具体的な内容

派遣労働者が従事できない業務は、労働者派遣法に基づいて明確に定められています。

●建設業務
●港湾運送業務
●警備業務
●医療関連業務
●士業業務
●その他

以下にて、代表的な禁止業務を紹介します。

1.建設業務

派遣労働者は、建設業務に従事できません。
例えば、建築工事や土木作業などは、高度な技術と安全性が求められるため、直接雇用の労働者が担当すべきです。
そのため、労働者の安全を確保するため、直接雇用が求められています。

2.港湾運送業務

港湾での貨物運搬や積み下ろし作業は危険度が高く、専門的な知識が必要なため、派遣労働者には適用されません。
これらの業務は、正規雇用された港湾労働者が担当します。

3.警備業務

警備業務も派遣労働者には禁止されています。
具体的には、建物やイベント会場の警備、巡回警備などが該当します。
警備業務は、警備業法に基づき、厳格な基準が設けられるため直接雇用が必要です。

4.医療関連業務

医師や看護師による医療行為も派遣労働者には従事できない業務に分類されます。
医療業務には、患者への診療や治療、看護、投薬などが含まれ、専門的な知識と資格が必要です。
そのため、医療行為は医療機関の直接雇用の労働者によって行われるべきとされています。

5.士業業務

弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・弁理士・行政書士なども禁止業務に該当します。
士業は高度な専門性を必要とし、派遣労働者の対象外です。

派遣禁止業務の適用除外一覧

派遣の禁止業務の適用除外については、以下の通りです。
●建建設業務の管理全般
●港湾地域におけるオフィス業務
●紹介予定派遣による採用活動
●出産前後休暇・育児休暇・介護休暇中の従業員の代替業務
●過疎地・地域医療維持のため都道府県が指定した病院での勤務
●一部の士業に関連する業務

一部の禁止業務では、条件を満たせば例外的に派遣が可能になります。
そのためには、法的な要件を満たす必要があります。

派遣禁止業務の罰則と企業に求められる対応策

ここでは、派遣禁止業務に違反した場合の罰則と、企業が取るべき対応策について解説します。

●罰則の具体的な内容
●企業に求められる対応策

法令違反によるリスクを回避するためには、適切な対策の構築が非常に重要です。

1.罰則の具体的な内容

派遣禁止業務に労働者を従事させた場合、厳しい法的罰則が科される可能性があります。
具体的な違反行為と罰則は、以下の通りです。

違反を繰り返した場合は、企業の信頼性が著しく損なわれ、長期的な経営リスクへとつながる可能性があります。

2.企業に求められる対応策

派遣元・派遣先ともに、業務内容が禁止業務に該当しないかを事前の確認が重要です。
以下は、企業がリスク回避のために取るべき具体的な対策です。

定期的に派遣契約を見直し、派遣労働者が適切な業務に従事しているかの確認も欠かせません。

派遣の禁止業務に関するQ&A

ここでは、派遣禁止業務に関するよくある質問を紹介します。
派遣元企業や派遣先企業が注意すべき法的ポイントや、注意事項を確認するために役立つ情報を確認してみましょう。

Q1.派遣禁止業務についてどのように確認すればよい？
派遣元・派遣先の企業は、契約締結時に業務内容を具体的に確認し、派遣禁止業務に該当するか慎重に判断しましょう。
また、労働者派遣法や厚生労働省のガイドラインに従い、業務の適法性を定期的に確認できる体制を整える必要があります。

Q2.派遣先との業務内容についてのすり合わせ方は？
派遣元企業は、派遣先と協力し、派遣労働者が従事する業務内容を詳細に話し合い、派遣禁止業務に該当しないか確認します。
特に業務範囲や責任の分担、業務遂行に伴うリスクを明確にし、適切な対策を講じるための合意が重要です。

派遣禁止業務の理解｜企業のリスク回避につながる

派遣禁止業務の正確な理解は、派遣業務を適切に運営するために不可欠です。
違反が発生した場合、派遣元・派遣先の両社が法的罰則を受け、企業の信用に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、業務内容を明確にし、派遣労働者が禁止業務に従事しないように厳密な管理が重要です。

派遣元および派遣先の企業は、法令を遵守し、労働者の安全と権利を尊重する働き方を提供しましょう。

メタディスクリプション
派遣禁止業務と適用除外業務について解説。建設業や港湾運送業などの禁止業務、例外的に認められる適用除外業務、違反時の罰則と企業のリスク回避方法を詳しく説明します。