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【企業向け】派遣社員の面接は禁止?聞いてはいけないこと・面談のコツ

派遣社員の受け入れを決定する際、事前に候補者と話す機会を設ける場合があります。

「派遣社員を面接してもいいの?」
「事前に派遣社員とどんな内容を話しておくべき?」

このように、派遣社員との面談内容でお困りの人事担当の方も多いでしょう。

この記事では、派遣社員の決定前に実施する面談の目的と内容、聞いてはいけない質問などを解説します。初めて派遣社員と面談する企業の方は、参考にしてください。

<目次>
■派遣社員の「面接」は禁止
■派遣社員の「面談」とは
■面談で聞いてはいけない質問とポイント
1.住所・年齢などの個人情報
2.個人の思想に関する内容
3.退職理由や志望動機
面談で聞いても良い質問とポイント
1.スキルや経歴に関する質問
2.就労条件に関する質問
派遣社員は面談ではスキルと条件の一致を確認する

派遣社員の「面接」は禁止

派遣社員の候補者への事前面接は、原則として禁止されています。
面接が禁止されている理由は、主に以下2つです。

●派遣社員の雇用関係は派遣元企業と結ばれているため、面接は派遣元が行う
●労働者派遣法で禁止されている

派遣業は、あくまでも「スキル・条件に合った人材」を企業に派遣するものです。
「特定の個人」を派遣するものではないため、派遣業の性質を考えれば事前面接はそもそも不要といえます。

派遣社員の「面談」とは

派遣社員の面接は禁止されていますが、「面談」であれば実施可能です。
「顔合わせ」「職場見学」とも呼ばれる面談には、派遣元企業の担当者も参加します。

面談内容は、主に以下の通りです。

●業務内容や責任範囲のすり合わせ
●必要なスキルや業務経験の有無の確認
●就業条件の確認
●職場の雰囲気の確認

派遣元・派遣先・派遣社員の三者で、業務内容や必要なスキルなどに認識の齟齬がないかを確認します。

派遣社員の事前面接は禁止されていますが、面談時の様子で派遣社員の人なりを確認可能です。

面談で聞いてはいけない質問とポイント

派遣面談は個人の採用可否を決定するものではないため、個人情報やプライベート全般に関する質問は基本的にできません。

面談で聞いてはいけない質問の具体例や、面談時のポイントを3つご紹介します。

1.住所・年齢などの個人情報

派遣社員の個人情報に当たる質問は、原則として禁止されています。
具体的には、以下のような質問です。

●年齢
●住所
●学歴や過去の勤務先名
●婚姻歴や子の有無

厳密にいえば氏名も個人情報にあたりますが、面談時の挨拶として派遣社員側から名乗る場合が多いようです。

面談時には、所属していた企業の業種や規模、職種、担当業務、保有資格を質問しましょう。
これらは業務を遂行するうえで必要なスキルを確認するものであり、質問可能です。

2.個人の思想に関する内容

個人の思想に関する内容も質問してはいけません。

●本人や家族が支持している政党名
●購読している新聞名
●愛読書や座右の銘
●尊敬している偉人・有名人
●信奉している宗教
●プライベートで所属している団体や活動内容

個人の思想は憲法で保障される「自由権」にあたるため、直接雇用の採用面接の際にも質問禁止です。

あくまでも、業務内容やスキル、条件に関する質疑応答の中で、派遣社員の人となりを確認する程度にとどめてください。

3.退職理由や志望動機

スキルや業務経験に直接関係のない質問は、派遣面談の場では控えましょう。

●勤務経歴のある過去の会社の入社理由や退職理由
●自社への志望動機
●なぜ派遣社員で働いているのか

実態として上記の質問をする企業はありますが、派遣業の趣旨を鑑みると不適切です。

派遣業は特定の個人を派遣するものではないため、直接雇用の採用面接のように個人の意欲や意思を直接確認する質問は避けてください。

面談で聞いても良い質問とポイント

派遣面談では、業務内容とスキルがマッチするか、就業条件に合意できるかを確認する質問は可能です。

具体的に質問しても良い内容や、質問の際のポイントをご紹介します。

1.スキルや経歴に関する質問

募集しているポジションに関する業務スキル・経験は、質問できます。

●過去に経験してる業務の具体例(給与計算、購買管理など)
●過去に使用したツール(経理システム、CADなど)
●PCスキル(Excel、Word、PowerPointの使用レベルなど)
●保有資格
●過去に経験した業務の規模(50人の給与計算を毎月1名で実施、など)

派遣後のミスマッチを防ぐためには、派遣社員への丁寧な業務説明も大切です。
業務のボリュームやスピード、求められる品質を伝えたうえで、対応できるスキルがあるかを質問するとよいでしょう。

2.就労条件に関する質問

派遣社員が提供できる労働時間と、募集しているポジションで求められる就業時間がマッチするか、面談時に詳しく確認してください。

具体的には、以下のような質問が可能です。

●週の勤務日数
●1日の勤務時間
●在宅勤務の希望の有無
●残業の可否(可能な場合は頻度や条件など)

「どうして週3日勤務を希望するのですか?」といった個人の事情に関する質問はできません。
あくまでも、業務遂行に必要な労務提供ができるかの確認にとどめてください。

派遣社員は面談ではスキルと条件の一致を確認する

派遣社員の面談は、依頼する業務内容や就業条件が、派遣社員の保有スキルや希望の就業スタイルとマッチするかを確認するために実施します。
年齢や学歴、志望動機などによって派遣の可否を判断するものではありません。

スキルと労働条件の合う人材を受け入れる派遣業の本質を理解し、ミスマッチを防ぐための適切な面談を心がけてください。

派遣面談が初めてで心配な方は、派遣元企業から面談内容に関するアドバイスを求めてもよいでしょう。

Q1.面接以外に禁止されている行為はありますか?
労働者派遣法では、派遣労働者の特定を目的とする行為全般を禁止しています。
法の趣旨に則ると、年齢や性別を限定した募集、履歴書の提出依頼、適性検査の実施は不適切です。

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