労働政策審議会の第187回職業安定分科会(山川隆一分科会長)は10月28日、雇用調整助成金(雇調金)などの特例の段階的廃止と経過措置について、厚生労働省案を了承しました。
雇調金は、1人日額1万2000円の上限を11月までとし、12月から来年3月まで元の8355円に引き下げます。ただし、売り上げ減など業況の厳しい企業に対しては、現行の1万2000円を12月~来年1月に9000円に引き下げをとどめる経過措置をとります。また、休業支援金も上限は8355円のまま、支給割合を12月~来年3月まで6割に引き下げます。地域特例の8800円は11月いっぱいまで。これを受けて厚労省は11月に特例措置に関する省令を改正します。
この引き下げの議論を巡っては、基本的に特例廃止の方向で出席委員の意見は一致していましたが、労働者側委員や中小企業委員らから「見直しの対応は妥当だが、厳しい産業もあるため、段階的な引き下げといった対応が必要」「円滑な労働移動には総合的なセーフティーネットが必要であり、産業・地域ごとにそれぞれの事情に即した経過措置を取るべきだ」などの意見が出ていました。
雇調金はコロナ禍によって支給期間が長期化し、支給額が延べ6兆円を超えて財源が枯渇する懸念が高まる一方、生産性の低い企業を温存する負の効果も指摘されていることから、段階的な縮小に踏み切るものです。
提供:アドバンスニュース
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