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派遣社員のクーリング期間|注意点や適用の例外・Q&Aも解説

<目次>
導入文
派遣先が把握するべきクーリングの概要
派遣の抵触日とクーリング期間
派遣のクーリング期間の種類
派遣の抵触日・クーリング期間についてのポイント
抵触日を通知する義務
クーリング期間のメリット・デメリット
クーリング期間が適用されない例外
1.無期雇用の派遣労働者を派遣する場合
2.60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
3.有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合
4.日数限定の短期間業務に派遣労働者を派遣する場合
5.産休・育休などの代替として派遣を雇用する場合
Q.クーリング期間中の給与・社会保険は?
Q.クーリング期間後の再雇用は保証される?

導入文

2015年の労働者派遣法の改正により、派遣社員のクーリング期間が設けられています。
同一事業所で継続して派遣スタッフを受け入れできる期限は、原則3年間です。
契約の満了後に人材派遣を利用したい場合、3カ月と1日以上の期間を設ける必要があります。

今回は、派遣社員のクーリングや抵触日、対象外の業務などについて解説します。
また、必ず知っておきたい点を「Q&A形式」にしているので、ぜひ参考にしてください。

派遣先が把握するべきクーリングの概要

労働者派遣法では、派遣労働者の保護・キャリアアップ形成を促しています。
そうした流れで、有期雇用である派遣期間には制限を設け、正社員への可能性を開いています。

また、無期雇用への移行を促すため、派遣終了後の勤務の継続を制限している点は重要なポイントです。
派遣先は、派遣期間・受け入れ方法について十分に理解しておく必要があります。

派遣の抵触日とクーリング期間

人材派遣の受け入れ期間は、原則3年までです。
派遣期間が切れた翌日は「派遣の抵触日」と呼ばれており、派遣社員は継続して在籍できません。

同じ要員を再度派遣してもらうためには、派遣の抵触日からクーリング期間(3ヶ月超)を設ける必要があります。

派遣のクーリング期間の種類

派遣のクーリング期間には、「事業所単位」かつ「個人単位」の期間制限があります。

「事業所単位」のクーリング
同一の事業所での派遣社員の受け入れ期間は、3年までです。

派遣先が派遣期間を延長したい場合は、抵触日の1カ月前までに擦り合わせしなければなりません。
派遣先の労働者の過半数で組織する労働組合にあらかじめ意見聴取を行い、意見に対して対処する必要があります。

「個人単位」のクーリング
派遣社員は、同一の課・グループで3年以上の勤務継続はできません。
ただし、同じ会社内でも、総務課から庶務課など、他部署へ異動すれば3年経過後も働けます。

派遣の抵触日・クーリング期間についてのポイント

派遣先の企業は、派遣契約終了に向けて、注意すべきポイントがあります。
以下では、派遣先が知っておくべきポイントを紹介します。

●抵触日を通知する義務
●クーリング期間のメリット・デメリット

各項目について理解しておき、派遣期間の終了に備えて準備をしておきましょう。

抵触日を通知する義務

派遣社員は派遣先の指揮下にあるため、抵触日を明確に決めなければなりません。
派遣先は、派遣元に対して抵触日を通知する義務があります。

通知については、書面の交付もしくは、メールによる添付送信で実施します。
通知する書面には、以下の内容を記載する必要があります。

●事業所名
●事業所の所在地
●抵触日

なお派遣先は、抵触日を通知しなければ派遣契約を延長・再締結できなくなります。
くれぐれも注意しておきましょう。

クーリング期間のメリット・デメリット

クーリング期間が過ぎれば、派遣社員は同じ職場に出戻る形で勤務可能です。
クーリングは派遣先にとっても、さまざまなメリットがあります。

メリットやデメリットについて理解し、クーリングを活用するか検討をしましょう。

クーリング期間が適用されない例外

派遣社員のクーリング期間・3年ルールの例外事項があります。
以下で説明します。

1.無期雇用の派遣労働者を派遣する場合
2.60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
3.有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合
4.日数限定の短期間の業務に派遣労働者を派遣する場合
5.産休・育休などの代替として派遣を雇用する場合

各例外事項について、詳しく紹介します。

1.無期雇用の派遣労働者を派遣する場合

無期雇用契約のスタッフは、労働契約を更新する必要がありません。
そのため、抵触日の概念はなく、クーリング期間も規定されません。
無期雇用の派遣契約は、中長期的な雇用管理がしやすい契約といえます。

2.60歳以上の派遣労働者を派遣する場合

60歳以上の派遣社員は、クーリング期間は適用されません。
雇用安定の観点から、同じ職場で活躍し続けられるように配慮されているためです。
60歳以上の派遣社員については、更新契約しても同じ職場での勤務が可能です。

3.有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合

期間の定めがあるプロジェクトのスタッフも、クーリング期間は設定されません。
プロジェクトが終了すれば、仕事がリセットされるからです。
そのため、クーリング期間は設定されず、あらゆる派遣先と契約可能です。

4.日数限定の短期間業務に派遣労働者を派遣する場合

短期間の派遣業務については、クーリング期間が適用されません。
勤務日数が月10日以下で、労働時間が正社員の半分以下であれば、繰り返し派遣を受け入れできます。

5.産休・育休などの代替として派遣を雇用する場合

産前産後休業・育児休業・介護休業の代替業務は、休業が終了するまで派遣期間が延長されます。
一方、受け入れする際の引継業務は最小限にする必要があるため、休業する社員の引継は注意が必要です。

Q.クーリング期間中の給与・社会保険は?

給与計算や社会保険の加入の義務は、派遣先ではなく派遣元の義務です。
そのため、派遣元との契約更新がなければ、自動的に給料や社会保険は喪失します。
派遣元との雇用契約があれば、クーリング期間であっても社会保険の対象になります。

Q.クーリング期間後の再雇用は保証される?

クーリング期間後、同じ派遣社員の受け入れは基本的に想定されていません。
ただし、派遣元との雇用契約が継続されていれば、別の職種や職場への紹介は受けることができます。

また、派遣の条件や期間などあわなければ、休業補償をしてくれる場合もあります。
仕事がない場合には休業補償が適用できるため、ある程度の保証がされる点は把握しておきましょう。

メタディスクリプション
2015年の労働者派遣法の改正により、派遣社員の受け入れ3年ルールが設けられました。
そこで今回は、派遣社員のクーリングや抵触日、対象外の業務などについて紹介します。またQ&Aもまとめましたので、派遣社員の引継の際に参考にしてください。

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